初心者必見!これから始めるシーバス入門!
日本全国各地に生息し、都市近郊からも釣ることが可能な貴重なターゲット「シーバス」。ソルトルアーのなかでも、ルアー、シチュエーション、パターンのバリエーションが豊富なまさにゲームフィッシング。多くのアングラーを虜にするシーバスの世界をわかりやすく解説していきます!
シーバスフィッシングについて学ぼう!
シーバスフィッシングってどんな釣り?
気軽に都市近郊の河川や運河でよく釣れていたシーバス。仕事帰りや朝のちょっとした時間帯でも釣ることができるということでかつて、一大ブームを巻き起こした釣りでもある。現在はシーバスフィッシングも開拓&発展し、様々なフィールドで釣られることが多くなっている。軽装備なコンパクトスタイルでも、キモさえ抑えておけば、釣りは成立するので気軽に挑戦可能。しかし、場所や状況によって簡単にあっさり釣れることもあれば、いくら探せど、シーバスの姿すら見えないなんて経験をすることもある。こういったゲーム性の高さこそがこの釣りの魅力といえる。
そもそもシーバスってどんな魚?
日本ではスズキと呼ばれており、分類上はスズキ目スズキ亜目スズキ科スズキ属。古くから日本でも親しみのある魚で、脂が乗って漁獲しやすい夏が旬といわれていて元々は高級魚の扱いだった。ルアーフィッシングではシーバスの呼び名が一般的だが、サイズによって名前が変わる出世魚でもある。全長が30cmくらいまでをセイゴ、60cmくらいまでをフッコ、60cmまたは70cm以上をスズキと呼んでいる。また、ルアー釣りをする人は一般的にシーバスとはマルスズキのことを指し、近似種のヒラスズキとは区別している。
シーバスの習性と生態
その生息域は幅広く、北海道南部から九州までの日本全国各地。沿岸部はもちろん沖の島々や川などの汽水域、堰さえなければ上~中流部までさかのぼって小魚などのベイトを捕食している。釣りをするシーズンは一年中で、春になるとベイトフィッシュ(シーバスの食料になる小魚)も増え始めて接岸。梅雨頃から秋にかけては各所でよく釣れる。冬は水温が安定していたりベイトフィッシュが多い場所など、ポイントさえ選べば狙うことが可能だ。そして、10月頃から産卵行動の準備に入り、冬の1~2月頃には湾口などで産卵をしている。
また、シーバスは食性のバリエーションが広く、イワシやボラの幼魚といった小魚類を始め、イソメやゴカイなどの多毛類、エビやカニなどの甲殻類、アミなどのプランクトンまでと様々。さらにはサヨリ、コノシロ、アユ、ハタハタといったその場所&季節限定のベイトパターン(シーバスに好まるエサとなる小魚)が数多く存在し、地域性によるバリエーションも豊富だ。
よく釣れる場所は、漁港、河川、サーフに干潟、磯など様々!
シーバスが釣れる場所は幅広く、特に手軽さで人気なのは都市近郊の河川や運河それに漁港など。それらの場所は護岸された足場で釣りができ、アクセスも便利だからだ。そして、それぞれのポイントでカギとなってくるのが、流れや障害物、それにベイト(シーバスの食料になる小魚)。多くのベイトが集まったり流れてくるポイントにはシーバスも多く、障害物周りに隠れてベイトを捕食している。河川や運河以外でも、イワシなどの小魚が多い磯やサーフ(砂浜・石浜)、またゴカイなどの多毛類やカニや小魚が多い干潟も多くのアングラーが集まる人気スポットだ。
釣れやすい時間帯は、日中も夜も可能だが、おすすめは朝夕マヅメ時
都市部の河川や運河などでは夜に釣りをするナイトゲームが主流。しかし、磯やサーフなどは朝から夕方までのデイゲーム(日中の釣り)が多い。それぞれのポイントでシーバスがベイトを捕食するタイミング次第なので、ベイトの有無や潮流などにも左右される。
おすすめなのは、デイゲームでもナイトゲームでも捕食のきっかけとなりやすい朝夕マヅメの時間帯。そんなマヅメタイムは一気にシーバスの活性が上がって、あちこちでボイル発生!ということも珍しくなく、入れ喰いになる場合もある。ちなみにマヅメとは日が昇る直前直後、日が落ちる直前直後の時間帯の事を指し、釣りにおいては非常に重要視されるタイミングだということを覚えておこう。
これだけは揃えよう!シーバスフィッシングに必要な道具と装備
シーバスフィッシングでは、シチュエーションや使うルアーが様々。それぞれに合ったロッド、リール、ライン、ルアー、装備が必要になってくる。ここでは基本的なものと豊富なバリエーションを紹介していきます!
ロッド:遠投できる8~10ft台の専用ロッドが一般的
シーバス用のロッドは使用するシチュエーション(釣り場の地形)やルアーなどによって分かれている。都市近郊の小規模河川や運河のように川幅が狭い場所なら、8ft後半~9ftくらいまでのロッドでキャスト精度を重視したものが良い。大規模河川なら9ft台後半で遠投性を重視、さらに足場の高い磯や沖堤防、もしくはサーフなどでは10ft台のロングロッドを使用する場合もある。それぞれのロッドには使用するシチュエーションと対応したルアーの説明が入っているので、それを目安に長さとパワーを選んでいこう。
▼ ロッドの購入や選び方はこちらの記事でさらに詳しく!
リール:大口径スプールで巻き心地の良いものがベスト
シーバス用のリールは、メーカーにもよるが3000~4000番台の中型のスピニングリールが一般的。他のソルトルアー用のリールに比べるとスプールの口径が大きく、ラインの出がスムーズな遠投性能に優れたものが多い。さらに重視されているのが巻き心地。スムーズに巻けるものはシーバスで重要になってくる流れの違いなどを感じやすい。特にナイトゲームでは様々な違和感をリールの巻きで感じ取ることができるので、上達への早道といっても過言ではない。これからシーバスフィッシングを始めようとしているビギナーこそ、良いリールがおすすめだ!
▼ リールの購入や選び方はこちらの記事でさらに詳しく!
ライン:PEラインで強度、感度、遠投性能を重視!
シーバス用のメインラインはPEライン(ポリエステル素材を編み込んだライン)が主流となっている。その理由としては、細くても強度に優れているためだ。これによってラインをグッと細くでき、様々な抵抗を減らすことで遠投性能がアップしている。さらには、ほとんど伸びないというPEラインの性質から感度も向上。シーバスのアタリがわかりやすいだけではなく、流れの変化なども感じやすいのだ。実際に使用するPEラインの号数は、0.8号前後が一般的。ルアーが軽く繊細な釣りのときは0.6号を使用したり、磯などの大型狙いのときは1.0~1.2号を使用することもある。
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リーダー:ポイントによってフロロカーボンラインの強度を使い分ける
メインのPEラインは直線強度に優れるが、岩や護岸などの障害物に当たる根ズレには弱い。そのため、PEラインの先にリーダー(ルアーに結ぶ部分の補強的なライン)としてフロロカーボンラインを使うことが多い。フロロカーボンラインは水中での摩擦強度に優れている。それぞれポイントやルアーによって使う強度は様々だが、根がかりが少なめな場所や軽いルアーを使う場合は3号(12lb)~5号(20lb)のことが多い。しかし、障害物が多い堤防や消波ブロック帯で釣りをする場合には、5号(20lb)~8号(30lb)、磯で大型を狙う場合などは10号(40lb)前後のこともある。
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ルアー:トップウォーターからビッグベイト、ワームまで様々!
シーバス用のルアーは数多く、ポイントやレンジ(水深)、活性やベイトパターンなどによって使い分けていく。どのルアーでも釣れる可能性はあるが、ちょっとしたレンジの差などで釣れ方が変わってくるのでいろんなルアーをローテーション(ルアーを変えていくこと)するのが重要になってくる。
主にシーバスで使われているのが、ペンシルベイト、ポッパー、ダーターと呼ばれるトップウォータープラグ。リップが付いて浮くフローティングミノー、沈むシンキングミノー、沈むペンシルベイトのシンキングペンシル。バイブレーションに鉄板バイブレーション、バイブレーションにブレードが付いたブレードベイト。メタルジグにワームとジグヘッドの組み合わせまでバリエーション豊富。全てを揃える必要はないが、使用するシチュエーションやベイトパターンに合ったものを選んでいこう。
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便利装備:ランディングネットやフィッシュグリップなどがあると便利!
シーバスは、エラ洗いという水面を割って体をひねるように踊らす独特のファイトが楽しめる。しかし、そういったファイトはバラす原因にもなり、ロッドやリールのやり取りなどでバレてしまうのを回避したりする。特に手前にシーバスが来た最後の瞬間にバレてしまうことも多く、その際はランディングネットがあると便利。
また、足場の高い堤防や護岸、磯などでは柄が長いランディングネットが必須となってくる。キャッチしたあとは魚をキープしておくためにフィッシュグリップがあればホールドしやすい。他にもルアーを外すためのプライヤーやラインカッター、種類が多いルアーをタイプ別にわけて入れられる各種ケース、ルアー交換時に便利なスナップなどもあると良いだろう。
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安全装備:ウェーディングゲーム以外でもライフジャケットがマストアイテム
干潟やサーフ、大規模河川の河口などのウェーディングゲーム(ウェーダーと呼ばれる釣り専用の長靴を履き、水に浸かりながら釣りをする遊び方)はもちろん、護岸された堤防や漁港ではスニーカーフィッシングと呼ばれるほどお手軽なシーバスフィッシングだが、どのジャンルで楽しむにせよ、安全のためのライフジャケット(救命胴衣)は必須アイテム。また、磯ならスパイクシューズ、堤防では滑りにくいソール、さらにハードな磯渡りなどではウェットスーツといったように、シチュエーションに合った靴底や装備が必要になってくる。
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シーバスを釣ってみよう!
シーバスフィッシングは、釣りをする場所やベイトによって大きく変わってくる。そんなバリエーション豊かな釣り方を、シチュエーション別で紹介。さらに有名ベイトパターンの釣り方も併せて解説していきます!
シーバスフィッシングってどんな釣り?基本はただ巻きでOK!
ルアーの種類も多く、釣りをする場所も様々。それぞれ喰っているベイトによっても変わってくる…シーバスフィッシングって難しそう!?そう考えるアングラーも多いが、基本動作としてはルアーをただ巻きするだけでOK!シーバスが居ればただ巻きだけで喰ってくる場合も多いので、それでダメなら動作を追加していく…そんな入り口が広いゲームフィッシングでもあるのだ。
シチュエーション別の釣り方
1.都市型河川&運河でのナイトゲーム
仕事帰りの夜に護岸された河川で釣る。このスタイルはシーバスフィッシングが普及した「お手軽さ」重視のシチュエーション。河川に魚の移動を阻害する“堰”や“ダム”が無ければ、驚くほど上流部(淡水域)までシーバスがエサとなる小魚を求めて遡上(川を魚が上る)するので、案外シーバスを狙える環境は多いのだ。
また、都市型近郊の湾に近い河川&運河の釣りもポピュラーだ。こういった場所は日中でも季節やベイトによって十分釣ることが可能だが、やはり、ナイトゲームのほうがポイントも絞りやすく釣りやすい。なぜかというと、都市部では水辺の近くにも常夜灯が多く、その光によって明暗部が形成される。その明暗部に小魚が集まり、それをシーバスが狙うという構図ができるので、その明暗部付近へルアーを通していけば、シーバスがヒットする確率があがるのだ。
使用するルアーは水深にもよるが、トップ系のペンシルベイト、ミノー、シンキングペンシル、バイブレーションなどが多く使われている。そういった明暗部で障害物が絡み、なおかつ潮通し(水の流れがある)が良い場所が一級のポイントとなる。安全装備を整え、夜の釣りに繰り出してみよう!特に2月~5月上旬は表層へイソメ・ゴカイが集まる「バチ抜け」と呼ばれるシーズンとなり、比較的簡単にシーバスを釣ることができる。
2.沖堤防などでのデイゲーム
都市近郊部での護岸エリアとは異なり、沖堤防や外洋に面した大きな堤防、漁港などはイワシなどのベイトフィッシュが日中も接岸しやすい。そういった外海のエリアでは、使うルアーも大きめのものや重いものをチョイスし大遠投していく釣りが楽しい。
具体的には、20g前後のスピンテールジグやバイブレーションがオススメだ。スピンテールジグはブレードが回転し光を反射するので特に日中で効果を発揮するルアーといえるだろう。遠投して魚からの反応がない場合は壁際を狙うのも効果的だ。ワーム+ジグヘッドで比較的スローに狙ったり、早いアクションでリアクションを狙うメタルジグで誘ってみるのもいいだろう。
それらのルアーを、基本はただ巻きか、ストップ&ゴーやフォールさせて使う。狙う場所はベイトフィッシュの群れがいれば、それを目掛けてキャスト。見えない場合は潮目(海を見ていると潮流の変化で川の筋のように見える場所)や護岸際などの足元や障害物を探っていき、それでもダメなら沖をメインに広く探っていこう。ちなみにこういったポイントは、地域に渡し船などが存在し、安価でその場所に運んでくれるサービスがある。そういったシステムを使ってみるのも良いだろう。
3.大規模河川の河口部や干潟、サーフでのウェーディングゲーム
ここまでは護岸されている場所での釣りだったが、大規模河川の河口周りや、湾内の干潟、もしくはサーフといった場所ではウェーダー(釣り用の長靴)を使用したウェーディングと呼ばれる釣り方がある。サーフではデイゲームが主流だが、河口部や干潟ではナイトゲームが多い。このウェーディングゲームで共通しているのは、シャロー(浅場)での釣りだということ。
使うルアーもシャロー用のものが多く、ペンシルベイトなどのトップウォータープラグ、あまり潜らないリップレスミノー、フローティングミノー、シンキングペンシル、小型のバイブレーションや鉄板バイブレーションなど。狙うポイントは潮目や他よりも水深のあるミオ筋など。そういったポイントへルアーをキャストして、ただ巻きをメインにルアーを流れに任せて流すドリフトというテクニックなどで探っていこう。
4.磯場でのデイゲーム
磯場での釣りは、主にランカー(80cm)と呼ばれる大型狙いのアングラーに人気のシチュエーション。湾内での穏やかな磯もあれば、外洋に面した波のある磯でも釣れる。それぞれ磯場でも滑らないように靴底のソールがスパイクになっているシューズや、ノリなどが生えている場所ではフェルトスパイクシューズなどが必須となってくる。
使うルアーもベイトフィッシュや狙うシーバスサイズに合わせて選び、主に大型のポッパー、ペンシルベイト、ミノー、シンキングペンシルなど。狙うポイントは、手前の磯際なども良いスポットになるが、沖の潮目やベイトの群れ、ボイル撃ちとなってくるので遠投性能が重要になってくる。まずはポイントへ飛ぶこと、それからはただ巻き&ストップ、流れに乗せたドリフトが主流だ。安全対策を万全にして、慣れた人と一緒に行くことをおすすめする。
その他ベイトフィッシュパターンでの釣り方など(バチ抜けパターン等)
ここまではシチュエーションによる釣り分けを紹介した。しかし、そのときにシーバスが喰っているベイトによってルアーや釣り方は変わってくる。サヨリなら長細いミノーやトップ系ルアーを使ったり、秋の落ちアユなどはビッグベイトと呼ばれる大きなミノー、コノシロは幅広で太めのバイブレーションなど、魚の食性に合わせることで釣果が格段に向上する。
特に冬~春頃(2月~5月上旬)の港湾部や河川で一大ベイトパターンとして有名なのがバチ抜け。バチとはゴカイやイソメなどの多毛類のことで、場所によってシーズンは細かく異なるが、早春前後に産卵のため一斉に水中を漂う。これをシーバスは盛んに喰ってくるので、そのバチの形状と行動に合わせた細長いシンキングペンシルなどで表層をゆっくり引いてくるのだ。バチ抜けには動きが弱いルアーやシンキングペンシル、バチ用ルアーがオススメだ。他にも様々なベイトパターンがあるので、その地域や季節にあったルアー、釣り方を試していこう。
シーバスフィッシングの釣り方と注意事項
荒れた天候、危険な場所、立ち入り禁止区域では釣りをしない!
シーバスゲームができる場所は日本全国各地で数多く存在する。それだけに危険な場所での釣りは控えておきたい。特に高波が発生するような荒れた天候に磯場や外洋に面した大堤防で釣りをするのは非常に危険。また、波が穏やかな干潟などでウェーディングゲームをする場合は立ち込むこともあるが、サーフなど波が立ちやすい場所ではウェーダーといっても膝下に波がくる程度にしておこう。
さらに、港湾部でも立ち入り禁止区域などが細かく設定されている場所も多いので、今後のシーバスゲーム保護のためにも立ち入り禁止エリアでは釣りを控えるようにしよう。ウェーディングゲームの場合、アカエイなどの毒を持った魚からの被害の可能性もあるので、シーバスフィッシングをまず楽しみたいならば、足場の整った河川、湾港湾部などで釣りを始めることをおすすめしたい。
豪快でさわやかな香りが引き立つ「スズキの香草焼き」を食す!
シーバスはゲームフィッシングとしてリリースされること多い。食味的にも、都市湾内や都市近郊河川内のシーバスはニオイがあり、敬遠する人も多い。しかし、水のきれいな場所や、沖のシーバスは高級魚として扱われていた経緯もあり、調理方法次第では上品で美味しい白身の魚としていただける。ここでは独特の匂いもさわやかに、さらに豪快な一尾丸ごとの香草焼きを紹介!
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まとめ
いかがでしたでしょうか?シーバスフィッシングは、都市近郊で釣りが楽しめ、多彩な釣り方とゲーム性が魅力。60cmオーバーのシーバスを釣れた時の楽しさは格別です!仕事帰りの夜にさっと楽しめる釣りなので、少しでも興味を持っているなら、ぜひ、はじめてみてください!
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協力:ルアーマガジンソルト編集部